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    May 11, 2022

    SDGsとマネジメントシステム: 持続可能な開発目標と企業の取り組み

    持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール、169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

    SDGsは開発途上国だけでなく、先進国自身が取り組むユニバーサルなものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

    SDGsとは、簡単に言えば、世界中のみんなが安心して、地球で暮らし続けるための目標です。

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    昨今では、多くの企業でSDGsの取り組みが行われており、社会的にも関心が高まっています。
    その一方で、「SDGsって何をすれば良いの?」「わが社の規模ではできることがない!」「私たちには関係ないよね」「開発途上国を支援しないと!」などという声を聞く機会も少なくありません。
     
    ですが、目標1の「貧困をなくそう」という観点で日本をみても、日本は現在、この「子どもの貧困率」が非常に高い状況にあります。
    具体的には、日本では7人に1人の子どもが相対的貧困下(2人世帯であれば世帯収入が約200万円以下、3人世帯であれば約250万円以下)に置かれているとされています。
    さらに、ひとり親世帯の場合、母子世帯の貧困率は50%、父子世帯の貧困率は20%を超えており、これはOECD加盟国のなかでも最悪の水準なのです。

    また、目標7の「ジェンダー平等を実現しよう」という観点で日本をみても、2021年3月に世界経済フォーラムで発表された数字によると、日本は156カ国のうち120位と、非常に低い結果であり、先進国では最低レベル、また、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となってしまっています。

    このような状況は、すぐには解決できない問題、一人では解決できない問題かもしれませんが、企業が積極的に取り組みを行うことで、一歩一歩でも解決できる課題なのです。

    認証機関として、SDGsの取り組みを考えてみると、実は、目標の多くが、企業の事業活動に大きく関わっており、また、マネジメントシステム規格に基づく認証を取得されている企業では、すでに取り組みを行っている場合が多くあることに気付かされます。

    品質マネジメントシステムを通してSDGsを見てみる
     例えば、ISO 9001: 2015規格、7.2項 b)では、「適切な教育、訓練又は経験に基づいて、それらの人々が力量を備えていることを確実にする。」という要求事項があります。
    この規格要求事項に基づいて、多くの企業では、必要な知識、技術などどのようなものが必要であるかを明確にされ、必要な知識や技術を持てるように社員の方々に計画的に教育を実施されています。
    これを、SDGsの観点から見てみると、目標4 「質の高い教育をみんなに」や目標8 「働ぎがいも経済成長も」に関連する取り組みと言えます。
     
    環境マネジメントシステムを通してSDGsを見てみる
    例えば、  ISO 14001: 2015規格、6.1.4項では、組織が計画すべき事項として、「1) 著しい環境側面、2) 順守義務、3)特定したリスク及び機会」への取り組みが求められています。
    この規格要求事項に基づいて、ある企業では、化学物質などによる水資源の汚染対策を実施しているかもしれません。 また、ある企業では、太陽光発電等のクリーンエネルギーの活用を進められているかもしれません。そして、多くの企業では、省エネ活動の推進、廃棄物の抑制、化石燃料の使用量の抑制など様々な活動を行われています。
    これらも、SDGsの観点から見ると、目標6 「安全な水とトイレを世界に」や目標7 「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、目標13 「気候変動に具体的な対策を」などに関連する取り組みと言えるのではないでしょうか。
     
    マネジメントシステムを有効活用して、SDGsへの取り組みを行う
    マネジメントシステム認証を取得される企業の目的や理由は、企業価値の向上、対外的なPR活動、取引条件など様々です。
    そんなマネジメントシステムの運用で、少し視点を変えるだけで、SDGsとの関係性が明確になり、SDGsへの取り組みを対外的に表明することが可能となり、また、社員の一人ひとりにもSDGsへの理解が深まり、結果として、2030年までにSDGsを達成する一歩となるのではないでしょうか。
     
    ほんの少しの事例を見ても、品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムの運用、そして継続的改善は、SDGsを達成するためのツールとして有効に機能することが分かります。
    つまり、品質や環境のマネジメントシステムの認証を受けている企業では、SDGsに関する取り組みを行っていない企業はいないとも言えると思います。

    貴社もNemkoのマネジメントシステム認証を通して、SDGsへ取り組みを進めませんか?

    Nemkoについて

    Nemkoは、マネジメントシステムの認証機関として、ISO 9001、ISO 14001、ISO 45001、ISO/IEC 27001、ISO 22301などの様々なマネジメントシステム規格に基づく認証を世界で提供しています。 日本国内では、複数規格に基づく統合マネジメントシステムの審査を早くから開始し、効果的な審査の実施、経営に有効活用できるマネジメントシステム認証を通して、受審組織の企業価値の向上に繋がる審査を心掛けて提供しています。 また、Nemkoは、マネジメントシステム認証を通して、受審企業のSDGsへの取り組みを支援いたします。

    Nemkoによるマネジメントシステム認証に関するお問い合わせは、こちらまで。

     

    Akira Niida

    2003年のNemko Japan創立から参画し、20年近くにわたって、様々な産業分野におけるマネジメントシステム認証審査、国際的な製品認証制度における工場検査などを、日本国内において実施。 審査、工場検査、セミナー等を数多く実施するとともに、2013年より代表取締役ジェネラルマネージャーとして、Nemko Groupの日本法人の代表を務める。

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