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ISO 9001規格改正情報 ~間もなくCD2が発行されます~

作成者: Nemko|Jan 30, 2025

ISO 9001: 2015が発行されてから、間もなく10年となります。

規格の改訂について多くのお客様からお問い合わせをいただいており、今回は規格の改正状況についてお話させていただきます。

ISOマネジメンシステム規格は、5年に1度の周期で見直しを行うことがルール化されています。

すでに2015年度版が発行されてから10年が経過し、いつ規格が改正されるのか?どのような変更があるのか?、などのお問い合わせが増えております。

現在、ISO 9001の改訂作業は進行中であり、2026年9月頃に新しい規格が発行される予定です。

2023年8月3日、ISOの技術委員会176、第2分科委員会(TC 176/SC2)における投票により、ISO 9001の改訂が正式に決定され、2024年4月には、委員会原案(CD)が発行され、メンバーへの意見照会が実施されました。

ISO 9001の第2次委員会原案(CD2)は、2025年1月17日に発行されました。

technofer-enews.jp

このCD2では、品質マネジメントシステムの効果的な運用をさらに支援するため、いくつかの重要な変更が提案されており、現時点での、主な改訂点は以下のとおりです。

  1. リーダーシップの強化:

    • トップマネジメントに対し、「品質文化」と「倫理的行動」の促進が求められています。
  2. リスクと機会の明確化:

    • リスクと機会の概念が分離され、6.1項が「リスクの決定」と「機会の決定」に分けられました。
  3. 用語の追加:

    • 「組織」「利害関係者」「トップマネジメント」などの定義が新たに追加されました。
  4. 附属書の簡素化:

    • 以前の大規模な附属書が削除され、新たに約8ページの附属書Aが追加され、規格の実施に関するガイダンスが提供されています。

これらの変更により、ISO 9001は組織の品質マネジメントシステムの効果的な運用をさらに支援することを目指しています。

なお、上記はCD2(委員会原案2)の段階であり、今後3月31日~4月4日にフランスのパリで行われるISO/TC 176の会議においてコメントへの対応が検討されることになりますので、変動する可能性があります。

その後、DIS発行に向けた検討、開発に移り、2026年9月のISO 9001改訂版発行が予定されています。

今後も、改正状況をお伝えさせていただきます。